Tokyo Document Recovery Assistance Force
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2012年6月21日木曜日

プロジェクト結(ゆい)と富士ゼロックスの被災文書救済・復旧活動に東文救システムを導入―259人が従事

2012年6月11日(月)~14日(木) の4日間、宮城県石巻市桃生総合センターの体育館にて、石巻市教育委員会、プロジェクト結富士ゼロックス、東京文書救援隊の協働で、石巻市内の被災した学校が所有する永久保存文書の復旧作業が行われました。

今回の活動は、被災地石巻の複数の学校が持つ被災文書を救済する活動支援のため、現地でボランティア活動を展開するプロジェクト結(東日本大震災で被災した子どもたちの学びと遊びを支援するためのコンソーシアム)から支援要請があり、プロジェクト結の賛同団体である富士ゼロックスの協力により実現。同社の被災地復興支援の一環として新入社員259人を現地に派遣し、人海戦術で学校の永久保存文書約10,000枚の復旧作業を行うというもの。東京文書救援隊は、現地での設営とスキル・トレーニング、作業のフォローをする支援のかたちになりました。

東文救は3名の技術者を4日間派遣し、富士ゼロックスの社員の方々に設営と機材への細かいアドバイス、文書のナンバリングから解体、ドライクリーニング、洗浄、乾燥方法を実演・指導しました。4日間の内、実作業時間は延べ8時間。最終的に47冊、4,500枚の文書の洗浄が完了しました。また乾燥まで終了した一部の資料を東文救スタッフが綴じ直しまで行いました。その他の資料には、資料形態と状態に合わせた指示書を添え、今回の支援活動を終了しました。

重要文書類については、資料の復旧後に、富士ゼロックスのデジタル複合機でコピーを作り、デジタル化も行いました。富士ゼロックスは今後、プロジェクト結と連携して被災文書の復旧活動を継続的に行う予定であるとのことです。

東文救のこの活動は、りんりん基金の支援を受けています。




写真左:屋外で行うドライクリーニングのためのテント設営風景
写真中:資料状態を確認しながら、ナンバーを付けた。日程を考慮し、優先度の高い資料の中から、復旧処置が可能な60冊を選別した。
写真右:(左から)プロジェクト結 理事長 長尾彰氏、理事 中川綾氏、東文救スタッフ、富士ゼロックストレーナー村上氏の打合せ





東文救スタッフによる文書復旧システムの一連の工程の実演と技術指導




被災資料の復旧処置をする富士ゼロックス新入社員の皆さん。東文救処置ラインが13ライン設置され、チームごとに作業をスタートした



2012年6月7日木曜日

文化財防災ウィールのiPhone版(英文)が出ました

米国の国立公園協会(National Park Service)のNCPTT (National Center for Preservation Technology and Training)が1997年に公開し、日本でも文化財保存修復学会の災害対策調査部会が中心となり監修・発行されている文化財防災ウィール(Emergency Response and Salvage Wheel)が、2011年版を元に、内容も改訂され、このほど iPhone アプリとして公開されました。無料。




組み立ては災害発生時の警告、人の避難、被災後の現場の安定化、被害の記録化、緊急避難・保護、被害のアセスメント、サルベージの優先順位付け、建物の保全。そして乾燥を中心にした緊急避難法と、本・文書、セラミックス、電子記録、絵画、家具、金属製品、自然博物、革製品その他とモノ別の緊急対処法が簡潔にまとめられています。

外部リンクのひとつ、The National Institute for Conservation の Information on Major Disasters には東日本大震災のページ(Disaster Archiv: Japan Earthquake ande Tsunami 2011)もあり、HANDLING OF RADIATION CONTAMINATED LIBRARY AND ARCHIVAL MATERIALS (被曝資料の取扱い) Compiled from responses on the Conservation DistList and other resources by Toru Kibe and Kaname Shimada of Shiryouhozon-kizai Co., Ltd. (http://www.hozon.co.jp/hobo/category/disaster_radiation.html)も掲載されています。





2012年6月4日月曜日

新刊『災害から文化財をまもる』--NPO宮城ネットワークによる被災資料レスキューも



文化財保存修復学会編『文化財の保存と修復14 災害から文化財をまもる』が刊行されました。昨年12月に国立民族学博物館で開催されたシンポジウムの記録です。


基調講演―――――――――
1. 阪神・淡路大震災から東日本大震災 三輪嘉六(九州国立博物館長)
2. 3.11大震災と宮城ネットの被災資料レスキュー活動からみえてきたこと 
  佐藤大介(東北大学災害科学国際研究所助教、NPO法人宮城歴史資料
  保全ネットワーク事務局長)

活動報告―――――――――
1. 1995年、阪神・淡路大震災での文化財救出作業について 
  内田俊秀(京都造形芸術大学・災害対策調査部会 理事)
2. 新潟県中越地震における活動の課題 救援の要請と被災資料の修理 
  本田光子(九州国立博物館学芸部博物館科学課長)
3. 能登半島地震における文化財復興支援活動 被災資料の調査・修復から復興へ
  中村晋也(金沢学院大学文学部歴史文化学科准教授)
4. 東日本大震災における文化財レスキューについて 民俗資料を中心に
  日高真吾(国立民族学博物館)

パネルディスカッション―――――――――
文化財レスキュー16年の歩みと今後 コーディネーター 森田 稔(九州国立博物館副館長)

このうち佐藤大介氏の「3.11大震災と宮城ネットの被災資料レスキュー活動からみえてきたこと」は、2003年7月に発生した宮城県北部での直下型地震による被災資料のレスキューから始まった宮城歴史資料保全ネットワークのこれまでの活動経緯の紹介。とりわけ、「災害が起こってから活動するのではなく、災害の「前」にできるだけ多くの歴史資料の所在を確認し、それを保全していくことが重要である」(p.27)という指摘は、とかく「被災後」のレスキューに力点が置かれがちな災害対策の在り方を見直す意味でも重要と思います。

 宮城歴史資料保全ネットワークでは様々なレスキュー法のひとつとして東文救システムも導入しており、そのことも文中で触れていただいています(p.37-38)。


 文化財の保存と修復14 『災害から文化財をまもる』
編集: 一般社団法人 文化財保存修復学会
発行日: 2012年6月2日
発行所: ㈱クバプロ
http://www.kuba.co.jp/syoseki/detail.php?no=3270
判型: B5判変形、113p
定価: 1,200円(税別)

2012年5月30日水曜日

神奈川県立公文書館による被災公文書レスキュー事業にドライクリーニングボックスが活用されています




神奈川県立公文書館が昨年10月にスタートした被災公文書レスキュー事業に、東文救のドライクリーニングボックスが導入され、乾燥した汚泥の除去に使われています。

レスキューの対象資料は岩手県陸前高田市の公文書。陸前高田市が修復を希望する永年保存文書を中心に、緊急雇用基金を活用した作業者による復旧作業が進められ、昨年度は514点が、復旧されました。

これに続き今年度は700点への作業が進んでいます。作業は9月まで継続され、累計で合計で約1200点の公文書を使用に耐える状態にまで復旧し、市側に返却する予定です。

また、これに併せて同館では、一階のロビーにレスキュー事業の概要を知らせるミニ展示を行なっています。作業の工程が一目でわかるパネルとともに、作業で使用する資材や道具を展示しています。




同館のサイトには以下のページが掲載されており、昨年度から現在までのレスキュー事業が概観できます。




2012年3月12日月曜日

仙台市博物館が被災した歴史資料のレスキュー展を25日まで開催

仙台市博物館は、同館が行なってきた東日本大震災で被災した資料のレスキュー活動を知らせる展示会「東日本大震災1年 資料レスキュー展」を同館1階のギャラチーで開催しています。3月25日(日)まで。

同レスキュー活動は文化庁、宮城歴史資料保全ネットワーク等の協力を得て進められているもの。このうち国立公文書館の「被災公文書等修復支援事業」のひとつとして1月23日から3月2日まで同館で行われた活動では、仙台市内の学校資料(明治から平成までの約400点)や若林区荒浜の消防署資料等の復旧に東文救文書復旧システムが導入されました。展示では、実際に救出され、洗浄や乾燥・フラットニングそして綴じ直しが行われた古文書とともに、復旧システムの各工程が解る資材や道具と、作業方法が解るビデオも公開されています。