文化財の保存修復に関わる世界の関係者のためのメーリング・リスト Conservation Distlistに、当社のスタッフが、海水に漬かった紙媒体資料の救助について、Paper damaged by seawater のタイトルで投稿しました。
塩を含んだ紙の問題、その除去法を論じた文献は、保存修復のための文献データベースであるAATA や BCIN を検索しても、皆無です。それほど、今回の津波で被災した書籍、文書等への塩の影響は未知といえるでしょう。そこで弊社のスタッフが、塩を含んだ紙は、含まない紙と比べて、経時したときにどのような違いが出てくるのか、また、紙中から塩を抜くにはどのような方法が有効なのか—-、この2点を問いました。おそらく、以前に Distlist に投稿した「被爆資料の取扱い」に関する時と同じように、多くのコンサーバターや保存科学者が応えてくれると思います。
またこれとは別に国内でも企業あるいは研究機関で、東京文書救援隊の活動をサポートするかたちで、本格的な実験や試験が始まっています。
今後、国内外での情報や成果を公開していきます。
Kaname Shimada : Paper damaged by seawater