Tokyo Document Recovery Assistance Force
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2013年12月2日月曜日

活動終了のお知らせ

東京文書救援隊は2013年11月30日で活動を終了いたしました。2011年6月に活動を開始、2012年5月に終了する予定でしたが、1年間を更新し、さらに半年間の更新を経て、この度ひと区切りいたします。

事業・会計報告につきましては、諸手続が終了次第、本ブログへ掲載いたします。

2年6カ月の活動期間中、皆さま方には多大なご支援とご賛同を頂き、誠に有難うございました。


東京文書救援隊事務局

2013年8月2日金曜日

国際図書館連盟のInternational Preservation News最新号にて、東文救の活動を報告しました




国際図書館連盟(IFLA)資料保存分科会のニューズレター International Preservation News (IPN) の最新号(No59-60, August 2013)が8月1日に刊行されました。今回の特集はFrom Traditional to Digital Written Heritage: An Asian Perspective として、文化遺産や資料の保存について、アジアの視点からまとめられています。

この中で東京文書救援隊事務局長の木部が Mass Treatment Recovery for Tsunami Damaged Document by Local People Assisted by Conservators 「津波で被災した文書の大量処置を、現地の人々にコンサバターがアシスト」として、東文救の活動を報告しています。


記事の見出しは以下の通り。
Mass Treatment Recovery for Tsunami Damaged Document by Local People Assisted by Conservators / Toru Kibe
1. Introduction (はじめに)
2. Unprecedented disaster and damaged document (未曾有の災害と被災資料)
3. Drying within 48 hours of the disaster is recommended, but... (48時間以内に乾燥するよう言われているが…)
4. Rescuing and Air Drying (救出と風乾)
5. Developing Toubunq system (東文救システムの開発)
6. What is “recovery” of document? (文書の「復旧」とは何か?)
7. Supporting the disaster area to aid its recovery (被災地での文書復旧をサポート)
8. Features of Toubunq system (東文救システムの特徴)
9. Treatment procedure (処置方法)
10. Introduction of Toubunq system as employment measures (現地での雇用に東文救システムを導入)
11. Reference (参考文献)





『International Preservation News』 No59-60, August 2013
編集・刊行: IFLA PAC
発行日: 2013年8月1日
下記ページから全文をダウンロードできます。
IFLA PAC|August issue of International Preservation News just released!
http://www.ifla.org/node/7922


2013年7月2日火曜日

写真洗浄ボランティア【課外のあらいぐま】に東文救システムが導入されました

~写真を洗い、思い出を届けよう~
被災地支援・写真洗浄活動「あらいぐま作戦」


東京都武蔵野市で活動する「写真洗浄ボランティア 課外のあらいぐま」に6月23日、東文救システムが導入されました。課外のあらいぐまの活動は、吉祥寺のりす会という団体ではじめた写真洗浄活動「あらいぐま作戦」よりスタートし、その後を引き継いだ光が丘・心のあかりを灯す会を経て現在の活動まで引き継がれています。主に、陸前高田よりお預かりした被災写真を綺麗に洗い、乾かし、ポケットアルバムに入れお返しする活動を展開しています。設立から2年が経過し、現在では、被災地の現地の団体と連携しながら、不定期に「課外活動」という任意の形式で地域のコミュニティセンターで写真のクリーニングとデジタルスキャニング作業を継続しています。

今回の活動は、課外のあらいぐまから支援要請があり、東京文書救援隊スタッフが作業場所を訪問。協議の結果、張り付き剥がれなくなっている写真やカールした写真、また未洗浄写真の処置のために、洗浄、乾燥・フラットニングに必要な資材の提供と東文救システムの設営、スキル・トレーニングが決まりました。

東文救システムの設営とスキル・トレーニングには、白岩洋子氏(紙本・写真修復家)とともに東文救から2名のスタッフを派遣し、洗浄と乾燥方法を実演しました。白岩氏の協力を得て、被害の酷い写真や処置判断に迷うものへのアドバイスとともに、洗浄にフローティングボード法、乾燥・フラットニングにエア・ストリーム乾燥法を適用した一連の工程をボランティアの方々と一緒に行いました。

スタッフの方からは「ドライクリーニングだけでは除去が難しかった砂や汚れがさらに綺麗になり、処置効果が実感できた。もっと早くこのシステムを使えればよかった」というお誉めの言葉をいただきました。

東文救のこの活動は、りんりん基金の支援を受けています。



課外のあらいぐま ボランティアの方々の作業風景。


白岩氏による写真洗浄のデモンストレーション。


乾燥・フラットニングにはエア・ストリーム乾燥法を使用した。


大きくカールした手前が自然乾燥したもの。奥が洗浄後エア・ストリーム乾燥法で乾燥したもの。
自然乾燥したものと比べると波打ちとカーリングが圧倒的に少ない。


2013年5月31日金曜日

活動期間を半年間、延長します


お陰様を持ちまして、東京文書救援隊は2011年6月の活動開始から丸2年となります。この間、皆さま方には多大なご支援とご賛同を頂き、誠に有難うございます。

現在も各方面から東文救システムの導入等に関わる問合せがありますので、活動を半年間延長し、2013年11月末まで継続することにいたしました。なお、本2年度(2012年6月~2013年5月)の事業・会計報告につきましては、2013年12月以降にまとめて掲載いたします。

皆さま方の引き続きのご理解、ご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。


東京文書救援隊事務局

2013年5月21日火曜日

総務省「震災関連デジタルアーカイブ構築・運用のためのガイドライン」が公開されています

総務省のホームページに「震災関連デジタルアーカイブ構築・運用のためのガイドライン(2013年3月)」が公開されました。

【第2章 被災資料の応急措置、修復、保存について】では、東日本大震災における事例を紹介しており、「事例 1)東京文書救援隊による津波等により海水損した文書資料の応急措置から修復までの作業」として、東文救システムも詳しく掲載されています。



2013年5月7日火曜日

【陸前高田市 思い出の品】に東文救システムが導入されました

岩手県陸前高田市で活動する、陸前高田市 「思い出の品」に4月27日、東文救システムが導入されました。「思い出の品」は、陸前高田市から委託を受けた陸前高田市社会福祉協議会の思い出の品スタッフが、ボランティア等との恊働のもと、津波で流されたのちに届けられた写真や卒業証書、トロフィー、盾、ご位牌、木像、スポーツ用品、ランドセル等の「思い出の品」を、もとの持ち主の方にお返しできるようにと、活動しています。現在、4名のスタッフが正式雇用されており、今後年単位でこの活動が継続されるとのことです。

東文救の今回の活動は、白岩洋子氏(紙本・写真修復家)から支援要請があり、協議の結果、未洗浄の卒業証書、賞状、年賀状、プリント写真など、紙類への処置のために、ドライ・クリーニング、洗浄、乾燥・フラットニングに必要な資材の提供と現地での東文救システムの設営、スキル・トレーニングを行うことが決まりました。

当日の東文救システムの設営とスキル・トレーニングには、白岩氏とともに東文救から2名のスタッフを派遣しました。また、写真修復の専門家である白岩氏は、写真の洗浄処置を思い出の品スタッフの方々と一緒に行いました。

スタッフの方々からは、これから効率よく洗浄と乾燥作業が進むとともに、とてもきれいになったものを持ち主の方々にお返しできることが大変嬉しい、との評価をいただきました。 コンテナにはまだ大量の賞状や未洗浄の写真があり、思い出の品々を持ち主の方にお返しできるように、今後このシステムを有効に利用していきたいとのことです。

東文救のこの活動は、りんりん基金の支援を受けています。



陸前高田市 「思い出の品」返却会場




スタッフの方々へのシステムの説明とドライ・クリーニングから洗浄、乾燥までの一連の工程を実演した。



白岩氏による写真洗浄のデモンストレーション。乾燥・フラットニングにはエア・ストリーム乾燥法を使用した。



処置後の資料のきれいな仕上がりに皆さん満足されていた。