東京文書救援隊はこのほど、カビや汚泥に見舞われた簿冊や書籍のドライクリーニングに適した新しいドライクリーニング・ボックスを開発しました。これまでの紙製(中性コルゲートボード)のドライクリーニング・ボックスは、簿冊等を解体した一枚もの用のドライクリーニング作業に適したボックスとして開発されたものですが、今回の新型は解体を前提とせず、簿冊や書籍をまるごと掃除するためのものです。特にひどいカビや汚れが付着した簿冊等のドライクリーニングに適しています。もちろん、一枚もののクリーニングにも、従来型ほどには資料のハンドリングは簡易ではありませんが(アクリル透明上蓋を開閉して資料を出し入れするため)、問題なく適用できます。
ボックスにはカビやアスベストも捕捉し外に逃さないHEPA(High Efficiency Particulate Air Filter)が着いた掃除機を装着します(掃除機は利用者が購入します)。お手持ちの家庭用の掃除機でもHEPAあるいはULPA(HEPAよりもさらに微細な塵埃をフィルタリングできるレベル)レベルのものならば装着が可能です。 また、掃除機のHEPAによるフィルタリングの前に、大きな塵埃をあらかじめ除去できるフィルターを着けました(写真の黒いタンク)。二重のフィルタリングにより掃除機のHEPAフィルターの交換頻度を大幅に下げることができます。
掃除機による吸引気流(suction air stream)は穏やかですが、常に手前から奥に向かって流れ、ボックスの下部および右側面で吸引集塵するため、ボックスの外に塵埃が出ることは一切ありません。このため作業者はノーマスクでも、安全に作業ができるほどです(ただし実際の作業では、クリーニング前後の処置がありますので、マスクの着用をお勧めします)。
東京文書救援隊は従来型の紙製クリーニング・ボックスと併せ、この新型ドライクリーニング・ボックスを、簿冊などのカビや汚泥のクリーニングに使いたい被災地や被災地支援を行なっている機関に提供します。ご相談下さい。