今次の大災害では多くの尊い人命が失われ、また家屋、施設、道路等が甚大な被害に遭遇いたしました。その傍ら、歴史的文化財を含む貴重な文書・記録・書籍・写真等が損傷あるいは流失し、復旧・復興のために重要な文書等も数多く被災しています。
私どもは長く、図書館・アーカイブズの紙資料保存に携わってきた者です。今般の未曾有の事態のなか、被災地に遺された文書等の救済・復旧のため、私たちの経験を活かし幾ばくかでも被災地の皆さまのお役に立てないか。そのような想いから、この程、文書等救済支援のためのボランティア組織「東京文書救援隊」(Tokyo Document Recovery Assistance Force)を発足させました。
これまでの長年の仕事から、私どもは資料保存のための知識、経験を有し、また一定の施設、機器類を備えております。それらを基盤に、救出された被災資料を元の状態に戻す文書復旧システムを新たに組み立てました。救出された文書等を利用可能にするための簡便かつ効率的な処置システムで、その導入支援(作業システム設計と簡単なスキル・トレーニング)を被災地で復旧・復興に取り組んでおられる皆さまに提供させていただく-それが「東京文書救援隊」の眼目です。(詳しい支援内容につきましては「私たちがお手伝いできること」をご覧下さい。)当事業が掛け替えのない文書等の救済・復旧に少しでも寄与できますようにと切望しております。
私どもでは、支援実施に必要な体制を整え、ある程度の活動資金も用意いたしました。一方、事業の継続・拡大のため、「募金のお願い」をしております。ご賛同下さる方々のご支援をどうぞよろしくお願いいたします。東京文書救援隊の活動は今後一年(2012年5月末まで)の想定です。ただし要請が続き、資金的裏付けが整えば、期間延長を考慮いたします。
私どもの東日本地域復旧・復興支援にかける想いを受け止め、培ってきました資料保存に関わる知識とスキルを活用していただければ有り難く存じます。
活動方法は「私たちがお手伝いできること」に記していますが、被災地の様々な事情、事態に柔軟に対応していく考えです。文書等救済・復旧の必要がございましたら、またそのための知見・スキルが必要でしたら、当方「問合せ窓口」にご連絡、ご相談下さい。
様々な機関、多くの方々と力を合わせ、精力的、機動的、効果的に被災地の文書等救済支援に取り組む所存です。
“Save our documents! Save our history!”
東京文書救援隊代表 安江明夫